アジア太平洋地域や国内の自然保護プロジェクトを支援する事業


日本経団連自然保護基金/日本経団連自然保護協議会


KNCF NEWS 巻頭言 No.46

KNCF NEWS 巻頭言 No.46

かけがえのない地球を、 未来の人々と共有するために


三菱電機株式会社
代表執行役 執行役社長
下村 節宏
地球規模の長期的視野で「環境ビジョン2021」を策定

地球環境問題は、国際社会における最重要課題の一つとして、喫緊の対策が求められています。今を生きる私たちの行動によって、負の遺産を蓄積することは、絶対に避けなければなりません。現在の私たちは、遥か未来の人々と地球環境を共有しているのだという認識が必要であると思います。

三菱電機グループは、昨年10月、創立100周年である2021年を目標年とした環境経営の長期ビジョン「環境ビジョン2021」を策定しました。このビジョンは、3つの面での活動方向を示しています。

第一は「事業活動でのCO2削減」です。特に「製品の省エネルギー化」に力点を置き、当社グループがこれまでに培った技術を発揮して環境負荷の小さい製品の開発と普及に努めていきます。また生産時におけるCO2排出に関しても、工場でのエネルギー削減などを通じ排出量削減をグループ全体で進めており、さらに太陽光などCO2排出量の少ない発電事業への積極的な製品供給など、作る時から使う時まで温暖化防止に貢献していきたいと考えています。

第二は「循環型社会の形成」に向けた取り組みです。この側面では製品ライフサイクル全体での3R(リデュース、リユース、リサイクル)を中心課題に掲げました。今後、製品の小型・軽量化や原材料の有効活用をさらに徹底する一方で、リース・レンタル制度やメンテナンス事業の拡大によるリユース促進、使用済み家電製品のプラスチック再利用などのリサイクル促進、生産工程でのゼロエミッション(工場から廃棄するものをなくす取り組み)など、さまざまな側面から3Rを積極的に進めていく考えです。

当社グループでは、このような事業活動での環境負荷低減とともに、それらに取り組む人(社員や家族も含めて)に“環境に対するマインド”を育成することも重要な課題であると考えています。持続可能な社会の基盤となるのは、何よりもまず「環境を守ろう」という強い意志、マインドを持った人に他ならないからです。このためビジョンでは、第三の柱として「環境マインドの育成」を掲げました。

「環境マインド育成」と「森林再生」に注力

これまで当社グループでは、社員一人ひとりの“環境マインド”の醸成・育成をめざし、さまざまな活動を展開してきました。

例えば、今春私も参加した富士山麓での社員とその家族が参加する育林活動があります。自然保護に対する直接的効果はわずかなものですが、参加者一人ひとりが大自然の中で自然環境の役割と大切さを実感することには大きな意義があると思っています。また2006年からは「みつびしでんき野外教室」と題した環境教育活動も開始しました。これは社員が「野外教室リーダー」となり、事業所のある地域の子供たちに自然観察や野外体験などを通して自然の循環を実体験を通じて学んでもらうとともに、環境を大切にする心を育んでいく取り組みです。活動を次世代につなげるため2021年までにグループ全体で1,000人の野外教室リーダーの育成をめざしています。さらに2007年度からは、もう一つの社員参加型プログラムとして「里山保全活動」を始めました。海岸や河川、田畑、雑木林などの人里に近い自然環境を「里山」という概念で捉え、各事業所が身近な里山の保全活動に取り組むことで社員の環境マインド醸成を図っています。

これらのマインド育成事業と並行して自然保護活動、特に生物多様性の源となる「森林」の育成に注力していこうと思っています。国内森林の荒廃はもとより、世界的にも毎年膨大な森林が減少しており、今や自然の力だけでは森林再生が進まない状況です。自然本来の再生能力の回復に向け、海外拠点も含めてグループ全体での森林育成活動を展開中です。2007年には、森林保全活動への社員の寄付に当社ソシオルーツ基金※を合わせ、海外で積極的な植林活動を進めるNGO団体に寄付するとともに、本社と現地会社の社員がマレーシア・ボルネオ島に行き植林活動に参加してきました。

持続可能な社会の形成には、このように多くの分野で「種」を蒔き、環境改善につながる「芽」を育てていくという積み重ねが欠かせないと私は確信しています。当社グループはこれからも“技術と行動で人と地球に貢献する”を指針に、事業活動での環境負荷低減と環境に有益な製品の供給に努めると同時に、高い環境マインドを持った社員たちとともに、かけがえのない自然を守る活動を世界に広げていこうと思っています。

※ソシオルーツ基金:社員の寄金に対して、会社がその同額を加えることで、善意を倍にして寄付するマッチングギフト制度。

三菱電機富士山育林活動に家内と参加、
植樹の穴掘り作業中


「みつびしでんき野外教室」の一景:東京都千代田区の日比谷公園で
幼稚園児(年長)と古い切り株に生息する動植物を観察。園児たちは、
木を土に還す虫や苔、茸、貝の発見とお話に興味津々