アジア太平洋地域や国内の自然保護プロジェクトを支援する事業


日本経団連自然保護基金/日本経団連自然保護協議会


KNCF NEWS 巻頭言 No.45

KNCF NEWS 巻頭言 No.45

生物多様性条約COP10に向けて企業による取り組みを推進


日本経団連自然保護協議会 会長
積水化学工業株式会社 社長
大久保 尚武
日本経団連自然保護協議会の取り組みの成果

この度、自然保護協議会の会長を引き続き務めることになりました。皆様方の引き続きのご支援・ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

この機会にこれまでの自然保護協議会の活動を振り返り、今後のあり方について一言申し上げたいと存じます。

自然保護協議会では2003年に「日本経団連自然保護宣言」を策定し、「自然界と共栄できる経済社会の実現に向けて努め、(中略)生物多様性の保全を重視した自然保護活動を推進する」とし、具体的な行動指針を設け、重点化して取り組んで参りました。

この間の具体的な成果として、NGOと企業との協働関係が相当進んだことがあげられます。今や自然保護活動を進めるにあたってNGOの存在は不可欠といえます。これまで公益信託日本経団連自然保護基金を通じ、NGOが行う自然保護プロジェトに対して支援を続けてきたという基盤があったからであり、その上に交流会など、お互いの意思疎通を促進する場作りを行ってきたことが重要であったと思います。

次に、国際機関との関係におきましては国連環境計画(UNEP)、国連生物多様性条約事務局、IUCN(国際自然保護連合)などとシンポジウムや懇談を重ねて関係を強化して参りました。例年行っております海外の自然保護プロジェクト視察ミッションでは現地視察を通じ、NGOや政府関係者とのネットワークを広げることに役立ってきたと思います。

生物多様性保全と企業の役割〜COP10に向けて

私は昨年の第三次生物多様性国家戦略策定に際し、中央環境審議会委員として参画し、経済界と生物多様性保全とのかかわりについて発言する機会を持ちました。生物多様性保全の問題は、単に絶滅危惧種の保護に止まらず、われわれ人間の生存基盤、あるいは水や原材料など企業活動の基盤そのものと密接な関わりを持っており、まず、この問題の本質を理解することが重要であると思います。そのための普及・啓発活動に努めていくことが重要であり、その上で企業としてどのような活動が求められるかについて示すことが必要だと思います。

自然保護協議会ではワーキング部会を中心として生物多様性保全に関わる企業活動の方向性を示すための議論を進め、今年度中に何らかの形でまとめ、公表するつもりです。企業の役割の重要性は益々高まってまいると思いますし、自然保護協議会としても先導的な役割を果たしていきたいと思います。

今年5月、ボンで国連生物多様性条約第9回締約国会議(CBD/COP9)が開催されました。その中で次回COP10が2010年に愛知県・名古屋市で開催されることが正式に決まりました。2010年は「国際生物多様性年」であり、「生物多様性の損失速度を著しく減少させる」という『2010年目標』の最終年でもあります。わが国はホスト国としてその達成状況の把握と次期目標の設定について責任を持つ立場にあります。

2010年のCOP10に向けたこれからの2年間、生物多様性保全に焦点集めて、自然保護協議会とわが国企業の取り組みが世界の活動のモデルになるよう、これまで培ってきたNGO等とのパートナーシップ、環境教育の枠組みなどを生かし、これからの協議会運営に努めてまいりたいと存じます。