topics
cat2
生物多様性条約COP16にミッションを派遣
2024.12.6
経団連自然保護協議会
生物多様性条約(CBD)第16回締約国会議(COP16)が、10月21日から11月1日にかけて、コロンビア・カリで開催されました。
CBD・COP16では、GBF実現に向けた進捗を測るモニタリング指標や、遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)の使用に係る利益配分の仕組み等、経済界の関心が高い重要テーマを含め、22年12月のCBD・COP15で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の実現に向けた具体策について交渉が行われました。
経団連自然保護協議会(西澤敬二会長)では、団長の西澤会長を含め24社46名に上る同協議会として過去最大のミッションを同地に派遣しました。西澤会長をはじめ団員が主要イベントへの登壇を通じて日本経済界の取り組みを積極的に発信するとともに、海外関係団体との個別懇談の機会を精力的に設け、今後の協働の可能性等について活発に意見交換しました。
【ミッション団の主な活動と成果】
1. 経団連自然保護基金を通じた貢献への認知向上
30年超にわたる自然保護活動への支援について、展示ブースや登壇の機会を通じて情報発信を行いました。また、CBD事務局が主導し、世界各地の経済団体が加盟するプラットフォーム「ビジネスと生物多様性のグローバルパートナーシップ」(GPBB)がCOP16の成果物としてとりまとめた各国の取組み状況に関するレポートに、同基金による活動実績を報告・掲載し、日本経済界の貢献への理解促進に努めました。
参考:SUPPORT TO THE GLOBAL EFFOETS FOR NATURE CONSERVATION funded by Japanese Business Community
2.生物多様性国家戦略の策定・実施における日本経済界の貢献に対する理解醸成
23年3月に日本が世界に先駆けて生物多様性国家戦略を公表した実績等を踏まえ、GPBB総会で、生物多様性国家戦略の策定と実施における民間セクターの役割の好事例として、経団連自然保護協議会の取り組みを紹介する機会を得ました。GBF採択を見据えて早期に政府と連携しながら国家戦略策定に関わったことや、策定後も国家戦略を踏まえた企業の実践を支援する継続的な活動を展開していることなどが聴衆から高く評価されました。
3.日本経済界の取り組みの認知向上
COMDEKS※やG7ネイチャーポジティブ経済アライアンス(G7ANPE)をはじめ、環境省や国際機関等と共同開催したサイドイベントや、主要な関係団体が主催するフォーラム等に、西澤会長と団員が登壇(計9社19案件)。生物多様性分野で最大級の国際会議の機会を捉え、日本経済界の好事例を数多く発信しました。
※「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム」の略称。里山等の持続可能な維持・再構築を通じて「自然共生社会の実現」を目指す国際的な取り組み。経団連自然保護基金より、同プログラムのフェーズ4(23~27年)に拠出している。
4.日本経済界のリーダーシップへの期待
各団体との対話では、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のアダプター数でトップを走る日本の取り組み実績が高く評価され、日本経済界のリーダーシップ発揮に高い期待が寄せられました。加えて、欧州のビジネス団体等から、GBFの実現に向けた企業の取り組みや、情報開示を支援するプロジェクトへの日本企業の積極的な参画に、大きな期待が寄せられました。
5.国際機関、国際NGO等との協働に向けた進展
国連開発計画(UNDP)や国際自然保護連合(IUCN)幹部らと懇談した際には、各機関が取り組む自然の保全・再興に資するソリューションやツールの拡充に向けて日本企業との連携に関する提案を受けるなど、企業価値向上に資する今後の協働に向けた基盤づくりができました。
経団連自然保護協議会は、今回のミッション派遣の成果を踏まえ、今後もアクションプランに則した取り組みを継続するとともに、ネイチャーポジティブ経営を通じた企業価値向上の実現に向けて、国際的な基準策定への参画等も見据えながら、取り組みを深化させてまいります。