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劇団シンデレラ物語 その1 ー環境ミュージカルをはじめるまでー

2015.10.6

劇団シンデレラ

 このホームページのEco Voice コーナーは、日夜、現場第一線で自然保護や環境保全に頑張っておられる方々の「現場の生の声」をご紹介し、これからのいろいろな組織や団体との交流や連携の発展につながることを期待して設置しているコーナーです。 今回は、愛知県を拠点として、日本全国や海外でも、心温まる手づくりの「環境ミュージカル」(基金助成事業)を上演し、生物多様性保存にも貢献されている「劇団シンデレラ」の座長の伊藤さんから、劇団の生い立ちからのお話をご寄稿いただきました。3回シリーズの予定で、今回はその1回目です。(経団連自然保護協議会)劇団シンデレラホームページ → http://dozira.net



■笑顔を創造する劇団「劇団シンデレラ」!

 ≪カエルやゾウといった可愛らしい衣装に身を包み、軽快な音楽と、心躍る音楽で舞台を駆け回る。観客のみなさんも笑顔を浮かべながら手拍子で大盛り上がり≫ 

私たち劇団シンデレラが舞台で披露する「環境ミュージカル」の一幕です。「環境」と聞くと難しそうに聞こえますが、実は環境を紐解いていくと「自然を大切にしよう」「生き物たちを仲良く暮らそう」といったみんながよく知っているメッセージにたどり着きます。「難しいテーマも楽しく分かりやすく」「小さな子供さんからお年寄りまで、みんなが同じ気持ちになれる」――それが劇団シンデレラのモットーです。


■ESDでの飛躍、海外含め110舞台

劇団シンデレラは誕生して31年目を迎えました。劇団設立30周年の記念の年となった昨年(2014年)には、名古屋市で行われた「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」の開催があったため、ESDを盛り上げようと環境ミュージカルを作りました。団員がシンデレラ姫やウサギ、リスにふんし、音楽に合わせて歌や踊りで、自然を大切にすることを子どもにも分かりやすく伝えるミュージカルです。このESDのための劇は、劇団シンデレラが誕生してから最も活動し、注目を集めた期間だと思います。

まずはESDについて劇団員全員で勉強するとともに、2011年にPRソング「ESDソング」を作りました。「♪できることからと取り組もう ♪すばらしい地球のために ♪命あふれるこの星 ♪すばらしい地球のために」――テンポの良い曲に合わせて、かわいらしい振り付けを付けたりしました。日本経済団体連合会(経団連)の自然保護基金の支援のおかげで、広報用CD、缶バッジ、チラシも作成できました。

活動を地道に続けた結果、「うちでも劇をしてほしい」という声が次々とかかるようになり、2011年6月の東京でのイベント以来、休みを利用して日本にとどまらず、インドやタイ、中国といった国内外90か所で110回公演しました。海外公演では、慣れない英語での舞台でしたが、環境を守ることの大切にすることは伝えられたと思っています。


■短大・サークルから本格劇「夢・ロマン伝える」

劇団シンデレラは、1984年(昭和59年)に誕生しました。座長のフローレスともこ(本名・伊藤朋子)が、愛知県一宮市の一宮女子短期大学(現・修文大学短期大学部)に在学中、学内サークルとして産声を上げました。劇団名を「シンデレラ」にした理由は、『いじめられても、ダンスパーティーに呼ばれなくても、転んでも、転んでもくじけずけなげに頑張れば、魔女たちをはじめとした多くの人に愛され、助けてもらえる。そんなみんなに好かれ、愛される劇団にしたかった』。

設立当時は、俳優・柴田恭兵さんの所属劇団のコピーに近かったが、しだいに「子どもたちに夢と希望を与えられる、わくわくするような冒険ミュージカルを演じたい」とオリジナルの台本を書くようになった。短大卒業後、一宮市青年の家(現在廃止)に活動の場を移し「夢と希望と冒険」をテーマとした、親子で鑑賞していただけるオリジナルミュージカルを作り続けた。だれにでも気軽に見てもらえるように無料公演にして多くのファンを集めた。


■座長のこだわり「幸せの方程式」

台本を書く中で、フローレスともこは次のような方程式を心がけた。

①  家族みんなで食卓を囲みながら晩ご飯を食べる 

②  ⇨ 劇を見た子どもが劇団シンデレラの劇を思い出す 

③  ⇨ 子どもが笑顔で家族に『きょう劇団シンデレラの劇を見たんだけど、夢を持つことが大事って言ってたよ』と話す 

④  ⇨ 家族のだんらんが弾み、みんなに劇団シンデレラの伝えたいことが広がる

この方程式を実現するために「みんなの頭の中に残る簡単でおもしろい話」「心がワクワクする踊り」「すぐに覚え、自然と口ずさんでしまう歌」を考え続けた。ピーターパンやシンデレラのように夢いっぱいのファンタジー演劇を保育園や学校で披露すると、子どもたちから喜びの声と拍手がわき上がった。劇団に入りたいと手を上げる子どももいた。劇を見て、入団したティンクみさとは「保育園・年長の時。自分の通っている保育園に劇団シンデレラが上演に来たんです。初めてお芝居を見て、『楽しそう!私もやりたい』と劇終わりのフローレスともこ座長を出待ちして、頭を下げたんです」と当時を振り返る。


■知床旅行きっかけに環境ミュージカル

 そんな夢あふれる「ファンタジー劇団」が、環境をテーマにした劇団になったきっかけは、座長・フローレスともこが1997年(平成9年)頃、当時4歳だった長女・伊藤優衣歌(劇団シンデレラの劇団員)らとともに出かけた北海道・知床への家族旅行でした。北海道知床の自然保護活動をしている方々(レンジャー)に案内され、幻想的な原生林を歩き、突然姿を見せるキタキツネに歓喜し、大きな木に付いたヒグマの爪痕に驚きました。しかし、笑顔になれる話ばかりではありませんでした。

外来種のアライグマが増え、畑も荒らされる被害が出る中、どうしても銃で殺さないといけないという話も聞きました。アライグマを殺すときにレンジャーが涙を流しながら、仕方なく殺している現状も目の当たりにしました。

「自然を守らないと涙を流す人もいる」――。丁寧に説明をしてくれる案内人(レンジャー)に心を打たれ、「自然を守る」人たちを応援するため、「夢と希望と冒険」に「自然を守る」というテーマを加えました。次回は、環境ミュージカル劇団としての歩み始めから語りたいと思います。(続く)

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