これまでの支援プロジェクト
支援プロジェクト2022
インドネシア
1.セラウ・ブサール島のウミガメ営巣個体数の確保
西スマトラ州セラウ・ブサール島では年間を通じて絶滅危惧種である3種類のウミガメが営巣する。インドネシアではウミガメとその卵は法律で保護されているが、卵は珍味とされ、密漁の対象となっている。監視パトロールを行うとともに住民の理解を深めるための調整会議等も実施する。
Turtle Foundation/広域・複数国
2.ウル・マセン森林におけるコミュニティレンジャーによる生物多様性保全および生態系サービスの保護
アチェ州ウル・マセン森林はスマトラトラ、スマトラゾウなど多様な生物種が生息する地域だが、密猟、違法伐採、金採掘等により生物多様性が脅威にさらされている。コミュニティにおいてレンジャーを育成し、政府との関係調整等を図ることでこれらの課題に対処していく。
Perkumpulan Rincong/インドネシア
3.生物多様性重要地域カオにおける持続可能な生態系管理の強化
北ハルマヘラ州カオ湾沿岸地域は56種の鳥類や固有種のトンボやカエルが生息する生物多様性豊かな地域である。周辺の住民はマングローブ生態系によって生計を支えているが、違法伐採や密猟によって劣化してきている。住民への生態系管理に関する知識向上や規則つくり、人材育成を図っていくなど管理強化を図っていく。
Burung Indonesia/インドネシア
4.バタン・トル生態系におけるタバヌリオランウータンの保護
北スマトラ州バタン・トル生態系は熱帯雨林から亜山地林まである生態系豊かな地域で、絶滅危惧大型類人猿タバヌリオランウータンが生息する地球上唯一の場所である。違法な密猟等による脅威に直面しており、当団体所属のレンジャー、政府の森林警察とともに現地コミュニティに訓練を施し、共同して巡回、保護活動を行う。
Yayasan SCORPION Indonesia/インドネシア
5.スマトラ島のフクロテナガザル保全プロジェクト
南スマトラ州に生息するフクロテナガザルは絶滅危惧種に指定されているが、保護活動はほとんど行われていない。違法なペット売買の犠牲となっているフクロテナガザルを救助し、リハビリテーションプログラムにより健康な状態に回復させる。その後、自然保護区に開放し、野生の個体群を強化する取り組みを行う。
The Aspinall Foundation/インドネシア
6.西ジャワ州における生態系回復プログラム
西ジャワ州グヌングデ・パラグランコおよびハリムン・サラク両国立公園における希少固有種の保全活動。ジャカルタ流域河川の森林生態系保全・維持活動のためのプラットフォーム立ち上げ、回復計画策定やモニタリング、人材育成等を行う。
Yayasan Konservasi Cakrawala Indonesi/インドネシア
7.コミュニティ参加による人間とスマトラゾウとのコンフリクト減少
南スマトラ州パダン・スギハン野生生物保護区では、スマトラゾウが農作物を荒らし、人に危害を加えるなどコンフリクト(衝突)が起こっている。コミュニティグループの能力開発など人に焦点を当てたプログラムを実施し、スマトラゾウの保護と人との共生を図る。
Belantara Foundation/インドネシア
8.ジャワ島北海岸におけるマングローブ林の保全と持続可能な利用の促進
インドネシア政府はマングローブ林の回復を国家的課題として掲げており、国内外の企業の関心も高まっている。本プロジェクトではマングローブ林の再生に必要な情報収集を行うとともに、ジャワ島北海岸のパイロットサイトで再生活動を実施する。
公益社団法人日本環境教育フォーラム/日本
9.ボルネオ島のアラベル・シュワナー・オランウータン個体群の保全に向けた協働取り組み
ボルネオ島のオランウータンは生息地である森林の消失、劣化により危機に瀕している。中部カリマンタン州においてアラベル・シュワナーという最大の個体群の健全性を把握し、木材伐採権者や地域政府当局、中央政府の自然保護機関等と協力して、管理措置の是正を図っていく。
Orangutan Foundation/インドネシア
タイ
10.森林を回復する若者たちの育成
チェンマイ大学の25年にわたる研究成果に基づき、地元中学生たちに森林回復トレーニング、自生種育成のための苗床設置などで、技術や知識を提供し森林生態系回復プロジェクトに取り組む。
Forest Restoration Research Unit, Chiang Mai University /タイ
フィリピン
11.デュパックスにおける希少猛禽類サシバの違法狩猟根絶のための活動
サシバは日本とフィリピンを往来する希少猛禽類の渡り鳥である。しかし中継地のルソン島デュパックスでは伝統的な狩猟により相当数が捕獲されており、同島北部のサンチェスミラで成功した経験を活かし、違法狩猟根絶のための活動を行う。
公益財団法人日本鳥類保護連盟/日本
12.北フィリピン海における海洋保護区のネットワーク拡大および強化
フィリピンは海洋生物多様性のホットスポットとして認識されているが、沿岸資源管理という面では大きな課題に直面している。生息地の破壊、漁業の衰退に対処するため海洋保護区設立を図り、多くの取り組みがされている。本プロジェクトでは保護区が効果的な生態系・社会ネットワークとして機能することを目指す。
Daluhay Daloy ng Buhay, Inc/フィリピン
13.学校との連携による栄養学的に重要な農業生物多様性の保全
農業生物多様性とは、食料や農業として直接的または間接的に利用される動植物、微生物の多様性のことであり、持続可能な食料システムのために重要な構成要素である。本プロジェクトではカラバルソン地方の5つの州における学校と連携して作物博物館を設置し、栄養学的に重要な農業生物多様性を保全する。
International Institute of Rural Reconstruction (IIRR)/フィリピン
ベトナム
14.絶滅危惧種鳥類であるコサンケイの回復のための自然教育および市民参加
コサンケイは野生では絶滅していると思われ、種の回復のために生息地に再導入する準備が必要である。そのための人材育成が不可欠であり、ハティン省において自然教育センターを創設し、地元の学校や保護繁殖センターと協力して環境教育プログラムを開発、実施する。
Viet Nature Conservation Centre/ベトナム
15.少数民族のための自然林保護プログラム
フエ省アルオイ県は森林の70%が自然林に覆われており、地域住民の生計は森林に依拠している。地域ベースの森林管理モデル構築、導入を図るとともに、きのこ生産など収入創出モデルを開発する。
Ham Long Research and Support Centre for social work/ベトナム
マレーシア
16.サバル森林保護地区での動植物の生態調査及び、エコツーリズム開発支援
サラワク州クチン市郊外における過去25年にわたる熱帯雨林再生活動により、少しずつ希少動植物が戻ってきている。本プロジェクトではサラワク大学と協働でサバル森林保護区で生態調査を行うとともに、先住民の経済的自立のためのエコツーリズムを開発するなどコミュニティフォレストとしての仕上げを行う。
特定非営利活動法人ボルネオ熱帯雨林再生プロジェクト/日本
17.ダナムバレイ保護区に生息する野生オランウータンの生態調査と保全活動
サバ州ダナムバレイ保護区は第一級保護林に指定され、野生オランウータンが数多く生息する地域である。オランウータンの個体数維持のため、関係者への教育普及活動を行うとともに、観光産業復興の支援も行う。
特定非営利活動法人日本オランウータンリサーチセンター/日本
カンボジア
18.メコンデルタにおける環境配慮型の稲作とオオヅルの保護
カンポット州アンロン・プリンは生物多様性の豊かな地域でオオヅルの保護区に指定されている。しかし、農薬の過剰使用により人々の健康被害や生物多様性の悪化が進んでいる。日本でのトキ米やコウノトリ米の取り組みを参考に、オオヅルをシンボルにした持続可能な農業を推進し、人と生きものが共存できる社会を構築していく。
一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京/日本
ラオス
19.セコン県における共有資源管理支援を通じた環境保全プロジェクト
セコン県では西部を中心にプランテーションの広がりなどで、ここ20年間で15%の森林が減少した。自然の恵みは貴重な共有資源として住民の生活の基盤となっているが、共有の森が失われる事態が生じている。自然資源の価値を考え、持続的に保全していくための知識を身に着け、破壊を防いでいくことを目的とする。
特定非営利活動法人(認定NPO)日本国際ボランティアセンター/日本
インド
20.チリカ湖における地域住民による持続可能な生態系の回復と管理
チリカ湖はアジア最大の汽水湖で良好な植生に富んでいるが、19年に来襲したサイクロンにより生態系に大きな影響を受けた。マングローブなどの植林により生態系を回復するとともに、環境教育センターを設け、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)、省エネ等に関する教育を行い、地域社会を復興させる。
PALLISHREE/インド
21.ブルーカーボン・イニシアチブ ~カリメール岬のラムサール登録湿地におけるマングローブ生態系回復~
タミルナードゥ州にあるカリメール岬はラムサール登録湿地で生物多様性豊かな地域であったが、18年のサイクロン襲来によりマングローブ林が押し流されるなど、大きく劣化した。マングローブ林地への塩水の流れを確保するための河川修復や植林を行い生態系の回復を図り、伝統漁業による生計向上等に取り組む。
DHAN (Development of Humane Action)Foundation/インド
22.気候変動に対する回復力の強い社会生態学的生産ランドスケープの構築
インド半島の先端西部に位置するケーララ州では気候変動の影響が深刻で、生態系への影響も大きく受けている。地方自治体を巻き込んで生態系の劣化マッピングつくりや政府レベルでのベストプラクティスを文書化するなど「行動するシナリオ」へと、パラダイムシフトを起こすことを目的としている。
M. S. Swaminathan Research Foundation /インド
バングラデシュ
23.テクナフ半島での持続可能な自然資源管理の促進
コックスバザール県のテクナフ半島周辺はかつて、野生生物や魚類など生物多様性豊かな地域だった。しかし森林資源の過剰な利用、破壊的な漁業などでいまは非常に荒廃している。地域住民に対して持続可能な自然資源利用のための環境教育を実施し生物多様性の回復に寄与する。
Bangladesh POUSH/バングラデシュ
パキスタン
24.カランバール国立公園における管理計画の実施:ユキヒョウと高山湿地の保護
カランバール国立公園は高山湿地生態系からなり、ユキヒョウ、ヒグマなど希少な野生生物が生息する。同国立公園における管理計画を策定し、その計画に基づき、ユキヒョウ、生計向上、気候変動への適応、責任ある観光に焦点を当てた活動を実施していく。
World Wide Fund for Nature-Pakistan (WWF-Pakistan)/パキスタン
ネパール
25.「ヒマラヤの心臓」を守るためのコミュニティの能力向上
東ネパールにあるマカルーバルン国立公園は「ヒマラヤの心臓」と呼ばれ、独特の生物多様性を備え、本来の生態系バランスを維持している。しかし緩衝地帯のコミュニティの生活圧力が高まっており、その保全のためにコミュニティに対し持続可能な森林管理のための新しい知識や技術について啓発・研修を行っていく。
Future Generations University/広域・複数国
ミクロネシア
26.ヤップ島における生物多様性保全のための小規模汚排水処理システムの構築
KNCFのこれまでの支援でヤップ島タミル地区の持続可能な地域づくり計画を策定した。その中で、自然環境への負荷が最も大きい洗濯排水やトイレ汚水への対応が不可欠であり、本プロジェクトでは主に自然素材を生かしたろ過型汚排水処理システムを構築するとともに、関係諸機関と協働で全島への普及を図っていく。
特定非営利活動法人ECOPLUS/日本
サモア
27.脅威にさらされているサモアの植物遺産の未来を守る
サモアの在来植物種550種のうち20%は絶滅の危機に瀕している。希少な植物を科学的に保存し、教育に資する目的で活用するため国立植物保護園の設立を目指す。そのための調査、連携、計画策定、啓発等を進めていく。
Botanic Gardens Conservation International/広域/複数国
エクアドル
28.絶滅危惧固有種スカレシア・コルダータの保全
ガラパゴス諸島イザベラ島南部の絶滅危惧固有植物であるスカレシア・コルダータは土地利用の変化、火災、外来種等により激減している。このまま放置すれば10年以内に絶滅すると考えられている。個体数回復のため植栽と外来種抑制を図っていく。
Charles Darwin Foundation/エクアドル
ケニア
29.マウ森林におけるコミュニティによる絶滅危惧動植物の回復と保護
リフトバレー州にあるマウ森林は東アフリカ最大の森林生態系がある。固有植物が豊富な森林であるが、違法伐採、農地の開拓、森林火災等により劣化が起こっている。住民への環境教育、育苗園の設立、固有種の植樹などを通して生態系回復と保護に取り組んでいく。
Biodiversity Conservation Organization/ケニア
ルワンダ
30.ギシュワティムクラ森林公園周辺の自然を守る -持続可能な農業の促進をとおして
ンゴロレロ郡のギシュワティムクラの森はこの20年間で97%も減少。これ以上の劣化を防ぐためにルワンダ政府は国立公園に認定した。公園周辺の広範囲にわたる土壌浸食を防ぐため、アグロフォレストリーを推進し、育苗場を整備、継続的に植林を行う。
特定非営利活動法人道普請人/日本
マラウィ
31.ザラニヤマ森林保護区における生物多様性保全活動
首都リロングウェ近郊のザラニヤマ森林保護区は生物多様性ホットスポットだが、タバコ栽培、レンガ焼成、薪、木炭作りなどにより森林は劣化している。ミオンボを植林し、養蜂・ハチミツ生産を確立するとともに、持続型農業のための試験農場設立を目指す。
Centre for Child Development and Research/マラウィ
広域/複数国
32.アジア太平洋地域生物多様性保全にかかる次世代人材育成事業 – SATO YAMA UMIプロジェクトの成果拡大を目指して
経団連自然保護基金25周年記念特別基金助成事業で実施したプロジェクトの成果拡大を目指す。ユース層の基礎知識アップ、日本人ユースの海外フィールド派遣による実務経験習得、海外NGOの人材受け入れなど人材育成を実施する。
公益社団法人日本環境教育フォーラム/日本
33.ベンガル湾沿岸諸国における責任ある漁業資源管理の普及・啓発および実践
インド洋のベンガル湾岸ではマングロープ、干潟など湿地生態系が多くの人々の暮らしを支えている。しかし上流部開発、資源の過剰利用、気候変動などにより脅かされている。そのため、ベンガル湾の湿地生態系を共有する7か国で湿地国際協力ネットワークやクラブバンクを立ち上げ、漁業資源管理を行う。
ラムサールセンター/日本
34.日本およびアジアにおける気候変動適応および防災・減災に対する湿地の役割とその活用
生態系を基盤とする防災・減災が注目されている。日本やアジアにおける湿地に関する防災・減災の事例を分析、集積し、湿地の保全と湿地が果たす防災機能の向上を目指す。
特定非営利活動法人日本国際湿地保全連合/日本
35.東南アジアにおける沿岸生態系の回復・保全
東南アジアにおける生態系レッドリストの地域ハブを構築する。初年度はマングローブ生態系に焦点を当て、今年度は干潟、海草、砂丘に活動を広げ、沿岸生態系の分類方法とリスク評価方法を編み出す。
IUCN/スイス
日本
36.奄美大島海域における生物多様性保全プロジェクト
昨年、世界自然遺産に登録された奄美大島海域において、2026年度までに生物多様性保全を目的に管理区域を作る。住民と海域事業者との連携による監視と管理の体制構築を目指す。また若者たちと協働し、大島海峡や笠利湾等湾で、情報収集や観光や教育向けプログラムの開発を行い、普及・啓発を図る。
公益財団法人日本自然保護協会/日本
37.ザリガニ類捕獲ツールの改良と防除の実践
アメリカザリガニは各地で増加し、生態系に深刻な影響を及ぼしている。そのため2016年に捕獲装置を開発、改良を加え、効率よく捕獲できるようになった。本事業では異なる環境で新型捕獲装置の実証実験を行い、全国導入を図るとともに、長期の防除活動を可能にするための有効活用策を検討する。
NPO法人シナイモツゴ郷の会/日本
38.生物多様性豊かな砂浜の復活
浜松市の遠州灘海岸は絶滅危惧種アカウミガメの産卵地で、生物多様性豊かな砂浜である。しかし近年、砂浜の消失、プラスチックごみ問題等で劣化してきている。環境調査を実施し、砂浜回復対策や海岸管理方法を検討し、生態系を尊重した保全対策を行政へ提言をしていく。
特定非営利活動法人サンクチュアリエヌピーオー/日本
39.被災地里山救済・地域性苗木生産・植栽プロジェクト
宮城県山元町の海岸防災林と里山を再生する。長野県と宮城県の教育機関(小学校・中学校・高等学校・大学)によって構成される「被災地里山救済・地域性苗木生産ネットワーク」により地域性苗木の生産や植栽を行い、これらを通して環境教育プログラム、ワークショップを実施し、未来を担う若い世代の人材育成に貢献する。
被災地里山救済・地域性苗木生産ネットワーク/日本
40.被災地における自然再生事業、自然体験活動と人材育成
台風や地震による被害を受けた長野県北部の自治体や宮城県東松島市における活動。子どもたちを中心に、自然体験、森林セラピープログラム、環境教育指導者の人材育成、森林・湿地の再生など心を癒す対策を実施する。
一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団/日本
41.島嶼生態系保全のための外来イエネコ問題対策
「緊急対策外来種」に指定されるイエネコは、人気の高い動物であるが、野放しネコの発生源となっており、外来種の中で最も対策が困難な動物である。とくに重要生態系のある小笠原諸島など島嶼部において、希少種や自然生態系への影響は極めて大きい。地域横断的に行政担当者も交えた情報交換の場を構築、また住民への普及啓発も行う。
外来ネコ問題研究会/日本
42.ポスト2020生物多様性枠組みのための日本・アジア人材育成
生物多様性関連ターゲットに関わる国際プロセス(生物多様性条約や、IUCNの会合等)に、効果的に関与できる国際人材の育成に関わる仕組みづくりやアジアにおける協働体制を構築する。これにより将来のアジアにおける生物多様性保全の連携推進に貢献する。
国際自然保護連合日本委員会/日本
43.白保サンゴ礁保全のための陸域、海域での環境モニタリング手法の確立
石垣島白保集落では、白保サンゴ礁を「宝の海」「命つぎの海」と呼び、豊かな海の恵みを次世代に継承するために地域を挙げて保全活動に取り組んでいる。グリーンベルトへの植栽による赤土の流出防止活動、植栽効果の計測手法やサンゴ礁生態系の状態についての科学的、体系的なモニタリング調査の確立に取り組み、定着させる。
特定非営利活動法人夏花/日本
44.東アジアのガンカモ類保全のためのプラットフォーム構築と絶滅リスクの多国間評価
日本国内での研究者プラットフォームを基に、ガンカモ類の絶滅リスクについて、東アジア各国の研究機関と共同で、若手人材育成や多国間評価を継続して実施する。
日本雁を保護する会/日本
45.多様なステークホルダーによる水生植物の再生と環境教育プログラムの実践
山形県鶴岡市にある都沢湿地やラムサール条約登録湿地の大山下池を対象として、多様なステークホルダーの参画により姿を消した水生植物の再生、モニタリング、環境教育の実践などを図る。また、「人と湿地のかかわり方」について新たな提案をする。
庄内自然博物園構想推進協議会/日本
46.アニマルパスウェイの一般化と連携
連続する道路などの構造物により分断されたニホンリス、ニホンヤマネなど樹上性野生動物はロードキルやバリヤーの弊害により地域絶滅にもつながる。富士山北鹿や八ヶ岳南麓などでアニマルパスウェイをツールとして啓発を行い、インフラと野生生物に関する認識を高めていく。
一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会/日本
47.北海道北部におけるタンチョウの捕獲調査と繁殖状況の確認
北海道東部のタンチョウ繁殖地は飽和状態にあり、感染症等が発生した際に、大量死の危険がある。繁殖地の分散化はそれらを回避するうえで重要である。そのため、北部における渡り状況、繁殖状況の把握を行う。
NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク/日本
48.ヘラシギ等シギ・チドリ類保全、球磨川河口ラムサール登録及び「自然な水の流れ」啓発
熊本県八代市の球磨川河口域は危急種ヘラシギが生息する環境省選定重要湿地の一つである。鳥獣保護区の指定がされ、地元の賛意を得られれば、ラムサール登録湿地となることが可能である。ダム等による「水の自然な流れ」を遮らないことの重要性を啓発し、ラムサール湿地登録を目指す。
ラムサール・ネットワーク日本/日本
49.絶滅危惧鳥類チュウヒの保護のための繁殖状況調査と保護活動
北海道サロベツ原野周辺は絶滅危惧鳥類チュウヒの国内最大の繁殖地である。しかし、詳しい繁殖状況が分かっておらず、また大規模風力発電計画や圃場整備が進行し、繁殖が阻害されている。保護のために住民への啓発や行政の理解を深めていく。
公益財団法人日本野鳥の会/日本
50.企業対象の生物多様性・SDGs教育の開発と普及 ~ESGの視点も加えて~
生物多様性の危機、地球温暖化が進行しているなか、企業人を対象に市民科学を用いた以下の方法で持続可能な社会の実現を目指す。(1)生物多様性教育の手法研究を行い、市民科学としての実践・評価研究・普及、(2)SDGsを担う企業における人材育成の研究・実践・評価研究・普及、(3)活動成果の発信。
一般社団法人ヤマネ・いきもの研究所/日本
51.「三草山ゼルフィスの森」を中心とした自然保護活動と人材育成
大阪府能勢町にある「三草山ゼルフィスの森」はヒロオビミドリシジミ等が生息する豊かな里山の自然環境が残る地域だが、近年その環境が急速に失われている。里山整備活動を行うとともに、観察会や田植えの体験会など普及啓発のためのイベントを行っていく。
公益財団法人大阪みどりのトラスト協会/日本
52.「ブラックバス問題」を解決に向けて前進させる市民運動
ブラックバス問題(公認湖・密放流・リリース放置等)は特定外来種生物に指定されたが、運用の実行が上がらないままである。これらを解決するため、環境省など関係省庁等への要望書の提出、一般市民の理解を得るための啓発活動(広報誌発行、オンライン勉強会)を行う。
全国ブラックバス防除市民ネットワーク/日本
53.トキ野生復帰計画の新段階に対応した生息環境整備
佐渡島では2002年以来、トキの野生復帰が進められている。現在430羽まで増殖したが主として平野部に定着し、農家とのコンフリクトや餌不足も発生している。ねぐら・営巣木・餌場が一体化した総合型ビオトープの整備を図り、東部や北部への生息域の拡大など様々な課題に対処していく。
NPO法人トキどき応援団/日本
54.農と食による都市・農村連携 グリーンインフラプロジェクト
豊島区内で農や食、伝統野菜を活用した都市におけるグリーンインフラ実践活動を発展させる。また、埼玉県松伏町等、繋がりのある農村地域での活動も加え、都市・農村連携活動を発展させ、都市と農村の生物多様性保全と活力ある地域社会づくりモデルを実現する。
としまグリーンインフラ研究会/日本
55.里山再生を通じた地域・人・自然共創プロジェクト
秋田県男鹿市の耕作放棄地を対象として、里山環境の再生を図り、生物多様性の保全やグリーン経済の実現を目指す。またそれらを通じて地域住民を巻き込んだ、人と自然の共生社会構築について考えていく。
一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパン/日本
56.ヤマネ研究・保護を通した生物多様性教育・SDGs教育
ヤマネは天然記念物であるが、バッチ状の分布となり保護の急務な動物である。保護のための基礎的研究は不可欠であり京都大学、福山大学等と連携して進める。また、ヤマネ研究の成果を通じてSDGsに資する教育活動を行い、人材育成や主流化を図る。
ニホンヤマネ保護研究グループ/日本